SFTS(重症熱性血小板減少症候群)のお話

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SFTS(重症熱性血小板減少症候群)のお話

最近ニュースでこの病気の名前を耳にした方も多いのではないでしょうか?

三重県では獣医師の方が感染して亡くなり、茨城県内でも飼育されていた猫がSFTSに感染して死亡するなどの報道が続いています。
また、6月30日には茨城県内で犬の感染も確認されました。この犬は幸い回復したとのことです。

これまで関東地方では犬や猫のSFTS発生報告は少なかったのですが、いよいよ身近な問題となってきています。


〇このSFTSは致死率が非常に高い感染症です。
 人:最大で約30%
 犬:発症した場合、40%前後の致死率とする報告も(ただし無症状~軽症例も多いです)
 猫:60%以上とも言われ、重症化しやすく非常に危険です

 参考までに、季節性インフルエンザの致死率は約0.09%。SFTSの深刻さが分かります。

〇SFTSはブニヤウイルス科のウイルスによる感染症で、以下のような症状が見られます
 ・高熱、元気・食欲の低下
 ・嘔吐や下痢、血便
 ・黄疸、出血傾向
 ・重症化すると白血球や血小板の著しい減少、肝・腎障害、神経症状などが起こり、死に至ることもあります。

  このウイルスはSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染するだけでなく、発症した犬や猫の唾液・血液との接触でも感染することがあります。
(実際に猫から人への感染例も国内で複数報告されています)


〇予防のためにできること
 ・ノミ・マダニ予防薬を定期的に投与しましょう
  予防薬を使用していても100%防げるわけではありませんが、感染リスクを大幅に下げられます。

 ・マダニがいそうな場所(草むら、藪、山林)には近づけないようにしましょう
  特に猫は重症化しやすいため、室内飼育を徹底することがとても大切です。
  (交通事故やケンカによる感染症も予防できます)

 ・人もマダニ対策を忘れずに!
  ・肌の露出を避ける
  ・明るい色の服を着る(マダニが見つけやすい)
  ・ズボンの裾は靴下に入れる or ブーツを履く
  ・帽子をかぶる
  ・防虫剤を使う

〇マダニはSFTS以外にも多くの病気を運びます
  ・バベシア症(犬で溶血性貧血を起こす)
  ・ライム病(関節炎、神経症状)
  ・Q熱(発熱、肝炎)
  ・日本紅斑熱(高熱、発疹)  など

   これらも命に関わる感染症です。

マダニ対策をしっかり行うことで、愛犬・愛猫だけでなく私たち自身の命も守ることができます。
ご不安な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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