ウサギが食べないときは早めに確認した方がよい理由

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ウサギが食べないときは早めに確認した方がよい理由

ウサギがごはんを食べない、便が小さい、便の量が少ないというご相談は、診察でもよくあります。

 

「朝からペレットを食べていない」
「牧草をあまり食べない」
「便がいつもより小さい」
「じっとして動きが少ない」
「歯ぎしりをしている気がする」

 

こういった症状は、ウサギでは軽く見ない方がよいサインです。

 

犬や猫では、半日くらい食べないことがあっても一時的な体調不良で済む場合があります。しかしウサギの場合、食べない時間が続くと胃腸の動きが悪くなり、さらに食べられなくなるという悪循環に入りやすい動物です。

 

診察では、食欲だけでなく、便の大きさ、便の量、お腹の張り、痛み、歯の状態、脱水、体温、レントゲンでの胃腸のガスの状態などを確認します。

 

〇 ウサギの食欲不振は緊急度が高いです

ウサギは常に牧草などを食べながら胃腸を動かしている動物です。そのため、食べる量が減ると胃腸の動きも落ちやすくなります。胃腸の動きが落ちると、ガスがたまる、便が小さくなる、便の量が減る、さらに食欲が落ちる、という流れになります。

 

「少し食べないだけ」に見えても、ウサギでは状態が進みやすいことがあります。

特に、まったく食べない、便が出ない、じっとしている、お腹を痛そうにしている、体が冷たい、という場合は早めに確認が必要です。

 

〇 少し様子を見てもよさそうな場合

以下のような場合は、ごく短時間であれば経過を見ることもあります。

 

・牧草や野菜を少しは食べている
・便は出ている
・便の大きさが大きくは変わっていない
・元気は比較的ある
・お腹が張っていない
・歯ぎしりや痛そうな様子がない
・体が冷たくない
・呼吸が苦しそうではない

 

ただし、ウサギでは長く様子を見るのはおすすめしません。

 

「朝からあまり食べない」
「半日以上ほとんど食べていない」
「便が明らかに小さい、少ない」

 

このような場合は、早めに診察で確認した方が安心です。

 

〇 早めに受診した方がよいサイン

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

 

・半日以上ほとんど食べていない
・便が出ていない
・便がいつもより明らかに小さい
・水を飲まない
・じっとして動かない
・お腹が張っている
・歯ぎしりをしている
・体を丸めている
・体が冷たい
・呼吸が速い、苦しそう
・よだれがある
・口の周りが汚れている
・尿が出ていない
・斜頸やふらつきがある
・高齢、持病がある

 

特に、体が冷たい、ぐったりしている、便がまったく出ない、お腹が強く張っている場合は注意が必要です。

 

ウサギは状態が悪くても、犬や猫のように分かりやすく鳴いて訴えることは少ないです。
そのため、「静かにしているだけ」に見えても、実際には痛みや強い体調不良が隠れていることがあります。

 

〇 便が小さいのは大事なサインです

ウサギでは、便の大きさや量がとても重要です。いつもより便が小さい、量が少ない、形が不ぞろい、つながった便が出る、といった変化は、胃腸の動きが落ちているサインになることがあります。

 

特に、食欲低下と便の変化が一緒にある場合は注意します。

「少しは食べているから大丈夫」と思っていても、便が小さくなっている場合は、実際には食べる量がかなり落ちていることがあります。

 

診察では、食欲だけでなく、便の大きさ、量、形、最後に便が出た時間を確認します。

 

〇 原因は胃腸だけとは限りません

ウサギが食べない原因として、胃腸うっ滞を思い浮かべる方も多いと思います。

ただし、胃腸うっ滞は「胃腸の動きが落ちている状態」であり、その背景に別の原因が隠れていることがあります。

 

よくある原因としては、歯の病気、痛み、ストレス、食事内容の変化、脱水、毛の飲み込み、泌尿器の病気、子宮の病気、肝臓の病気、感染症などがあります。

 

特にウサギでは、歯のトラブルが食欲低下につながることがあります。奥歯の不正咬合や歯の尖りがあると、牧草を食べにくくなり、だんだん食べる量が減っていくことがあります。

そのため、「胃腸の薬だけでよい」と決めつけず、食べなくなった原因を考えることが大切です。

 

〇 歯の状態も重要です

ウサギの歯は伸び続けるため、噛み合わせや食事内容がとても大切です。

 

歯に問題があると、牧草を食べない、ペレットばかり食べる、食べるのに時間がかかる、よだれが出る、口の周りが汚れる、体重が落ちる、といった症状が出ることがあります。

前歯は見えやすいですが、問題が奥歯にある場合は、見た目だけでは分かりにくいこともあります。

 

診察では口の中を確認しますが、奥歯の状態は動物の動きや口の構造によって見えにくいことがあります。必要に応じて、鎮静下での口腔内確認やレントゲン検査を検討することもあります。

 

〇 診察で確認していること

ウサギが食べない場合、診察では次のようなことを確認します。

 

・いつから食べていないか
・牧草、ペレット、野菜のどれを食べているか
・便は出ているか
・便の大きさや量はどうか
・水は飲んでいるか
・尿は出ているか
・お腹が張っていないか
・痛そうな様子がないか
・体温が下がっていないか
・体重が減っていないか
・歯や口の中に異常がないか
・最近、食事や環境の変化がなかったか

 

特に、最後にしっかり食べた時間、最後に便が出た時間、便の大きさの変化は重要です。

便の写真や、普段の便との比較があると診察の参考になります。

 

〇 必要に応じて行う検査

 

レントゲン検査

胃腸のガスのたまり方、胃の拡張、腸の動き、便のたまり具合などを確認します。

ウサギの食欲不振では、レントゲンで胃腸の状態を確認することが多いです。
お腹が張っている場合や、便が出ていない場合は特に重要です。

 

口腔内の確認

前歯だけでなく、奥歯の伸び方や尖り、口の中の傷、よだれの有無などを確認します。

奥歯は見えにくいため、診察室での確認だけでは十分に評価できないこともあります。
口の中をしっかり確認するために、状態によっては鎮静が必要になることもあります。

 

超音波検査

胃腸以外に、膀胱、子宮、肝臓、腎臓などの異常がないかを確認するために行うことがあります。

 

食欲不振の原因が胃腸だけではなさそうな場合や、尿の異常、腹部の違和感、子宮の病気などが疑われる場合に参考になります。

 

〇 治療は状態に合わせて変わります

軽度の胃腸うっ滞であれば、点滴、痛み止め、胃腸の動きを助ける薬、食事管理、必要に応じた強制給餌などを行います。

 

ウサギでは、痛みがあるとさらに食べなくなるため、痛みのコントロールも大切です。

脱水がある場合は、皮下点滴を行うことがあります。


体温が低い場合は、保温も重要です。

 

歯の問題がある場合は、歯の処置が必要になることがあります。


泌尿器や子宮など別の病気が原因であれば、それぞれに合わせた治療を行います。

 

〇 ご自宅で見ておいてほしいこと

ウサギの食欲が落ちたときは、以下を確認しておくと診察がスムーズです。

 

・いつから食べていないか
・牧草は食べているか
・ペレットは食べているか
・好きな野菜やおやつには反応するか
・便は出ているか
・便の大きさはいつも通りか
・水は飲んでいるか
・尿は出ているか
・じっとしていないか
・歯ぎしりをしていないか
・体が冷たくないか
・最近、環境や食事を変えていないか

 

便の写真や、普段の便との比較があると参考になります。また、自己判断で人間用の薬を使うことは避けてください。ウサギでは使える薬と使えない薬があり、状態によっては悪化につながることがあります。

 

〇 まとめ

ウサギが食べない、便が小さい、便が少ないという症状は、早めに確認した方がよいサインです。

 

ウサギは食べない時間が続くと、胃腸の動きが落ち、さらに食べられなくなる悪循環に入りやすい動物です。特に、半日以上ほとんど食べない、便が出ない、便が明らかに小さい、じっとしている、お腹が張っている、歯ぎしりをしている、体が冷たいといった場合は注意が必要です。

 

食欲不振の原因は、胃腸だけでなく、歯、痛み、泌尿器、子宮、ストレスなどさまざまです。ウサギの場合は、「もう少し様子を見よう」と長く待つよりも、早めに状態を確認することが大切です。食べた量、便の状態、尿の状態を記録してご相談ください。