モルモットの頬が腫れてきた~しこりに気づいたときに考えること~

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モルモットの頬が腫れてきた~しこりに気づいたときに考えること~

最近、頬にかなり大きなしこりができたモルモットを診察しました。

 

モルモットは体が小さいので、頬が膨らんでくると変化そのものは分かりやすそうに思えます。ただ、毛に覆われていることもあり、触ってみると思っていたより大きかった、ということがあります。

 

また、しこりがあっても普通に食べていたり、いつも通り動いていたりすることがあります。頬の腫れというと腫瘍を心配される方が多いと思いますが、実際には腫瘍だけではありません。膿がたまっている場合や、歯の病気から頬が腫れている場合もあります。

 

〇 頬が腫れる原因はいくつかあります

 

モルモットの頬にしこりがある場合、まず触って大きさや硬さ、動き方を確認します。

皮膚のすぐ下にあるものなのか、もっと奥から盛り上がっているのか。硬いのか、やわらかいのか。周囲にくっついているように感じるのか。こうした違いで考える原因も変わります。

 

腫瘍の場合もありますが、細菌感染によって膿がたまる膿瘍もあります。モルモットの膿は人のイメージする液体状の膿よりも、かなり粘りが強く固いことがあり、単純に針で吸えば全部出せるとは限りません。

 

頬の奥にある場合には、歯が関係していないかも確認します。

 

〇 歯の病気から頬が腫れることがあります

 

モルモットの歯は、一生伸び続けます。

 

前歯だけではなく、奥歯も伸び続けるため、かみ合わせが崩れたり、歯の根元に問題が起きたりすると、口の中だけではなく頬やあごの腫れとして見つかることがあります。

 

歯が原因の場合には、よだれが増える、食べるのが遅くなる、硬いものを残す、口から食べ物を落とすといった変化が出ることがあります。

 

ただ、食欲があるから歯は大丈夫、とも言い切れません。症状が進むまで食べ続ける子もいますし、飼い主さんから見ると食べているようでも、実際には食べる量が減って体重が落ちていることがあります。

 

そのため、頬の腫れを見るときには、しこりだけでなく、口の中や歯、体重の変化も一緒に見ます。

 

 

〇 腫瘍の場合もあります

もちろん、モルモットにも腫瘍はできます。

 

皮膚や皮下にできるものもあれば、もう少し深い場所から大きくなってくるものもあります。

 

しこりが急に大きくなってきた、表面が赤くなった、出血する、本人が気にしてかじる、周囲にくっついて動きにくいといった変化がある場合は、早めに状態を確認した方がよいでしょう。

 

見た目だけで良性か悪性かを判断することはできません。

 

また、小さな動物では、しこりそのものが大きくなることも問題になります。良性であっても、体に対して大きなしこりになれば、歩く、食べる、毛づくろいをするといった普段の動作を邪魔することがあります。

 

〇 小さいうちと大きくなってからでは違います

 

しこりが見つかったときに、「まだ元気だから少し様子を見よう」と考えることはあると思います。

 

それで問題ない場合もあります。

 

ただ、少しずつ大きくなっている場合は、大きさを記録しておくことが大切です。

モルモットでは、数センチのしこりでも体全体から見ればかなり大きなものです。大きくなるほど、皮膚が引っ張られたり、血管が増えたり、周囲の組織との境界が分かりにくくなったりすることがあります。

 

手術を考える場合にも、小さいうちとかなり大きくなってからでは、切除する範囲や麻酔時間、術後の傷の大きさが変わってきます。

 

そのため、「しこりがある=すぐ手術」という話ではありませんが、変化があるものを長く放置しないことは大切です。

 

〇 診察ではしこり以外も見ています

 

 

診察では、しこりそのものだけではなく、全身の状態も確認します。

体重が減っていないか、食欲はどうか、便の大きさや量は変わっていないか、よだれが増えていないか。

 

口の中を確認できる場合には、前歯や奥歯の状態も見ます。

しこりの場所によっては、レントゲン検査で歯やあごの骨との関係を確認することがあります。

 

皮膚のすぐ下にあるしこりに見えても、実際には歯の根元から問題が広がっている場合があります。逆に、頬に大きなしこりがあっても、歯とは関係なく皮下から発生している場合もあります。

 

見た目だけで決めず、どこからできているものなのかを見ることが大切です。

 

〇 治療は原因によって変わります

 

膿瘍であれば、抗菌薬だけでなく、膿を取り除いたり洗浄したりする処置が必要になることがあります。

 

特にモルモットの膿は固くなりやすいため、薬を飲めば中身が自然になくなるとは限りません。

 

歯が原因であれば、しこりだけを処置しても再発する可能性があります。歯や歯根の状態を確認し、原因になっている部分への対応を考えます。

 

腫瘍が疑われる場合は、大きさ、場所、周囲との関係、年齢、全身状態を見ながら、切除を考えるのか、経過を見るのかを判断します。

 

小動物の手術では、しこりを取れるかどうかだけではなく、麻酔に耐えられる状態か、手術後に食べられるか、傷を本人が気にしないかというところまで考えます。

 

〇 ご自宅で見ておいてほしいこと

 

頬や体にしこりを見つけたら、大きさだけでなく、その後どう変化しているかを見ておいてください。

 

・少しずつ大きくなっていないか。
・赤くなったり出血したりしていないか。
・触ると嫌がらないか。
・食べる量が減っていないか。
・硬いものを食べにくそうにしていないか。
・よだれが増えていないか。
・便が小さくなっていないか。
・体重が減っていないか。

 

写真を同じ角度から撮っておくと、大きさの変化が分かりやすくなります。

 

モルモットでは食欲や体重の変化も大事なので、しこりだけを見るのではなく、普段の食べ方や便の様子も一緒に見ておくとよいでしょう。

 

〇 まとめ

 

モルモットの頬が腫れている場合、腫瘍だけでなく、膿瘍や歯の病気なども考えます。

 

毛に隠れて見た目では分かりにくかったり、しこりが大きくても普通に食べていたりすることがあるため、気づいたときには思ったより大きくなっていることもあります。

 

特に、少しずつ大きくなる、硬くなってきた、赤くなった、食べ方が変わった、体重が減ったといった変化があれば、一度状態を確認した方がよいでしょう。

 

小さな体では、しこりの大きさそのものが生活への負担になることがあります。頬やあごのふくらみに気づいたら、食欲があるかどうかだけではなく、大きさや食べ方、体重の変化も合わせて見ておいてください。