夏に多い犬のかゆみと外耳炎|赤み・におい・べたつきに注意

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夏に多い犬のかゆみと外耳炎|赤み・におい・べたつきに注意

8月に入ると、犬の皮膚と耳の相談が目立ちます。暑さが続き、湿度も高い時期です。
皮膚はべたつきやすくなり、耳の中も蒸れやすくなります。

 

診察では、足先をなめる、耳を気にする、体を掻く、においが強くなった、という相談が多くなります。

実際に見てみると、指の間が赤くなっていたり、わきや内股が蒸れていたり、耳の中にべたついた耳垢が増えていたりします。

 

犬の皮膚や耳のトラブルは、外から見るより本人が気にしている場合があります。
少し赤いだけに見えても、かゆみが強い。耳の入口は軽そうに見えても、奥で炎症が続いていることも少なくありません。

 

赤み、におい、べたつき、耳垢、足先をなめる、頭を振る。このあたりは、早めに見ておきたいサインです。

 

〇 夏は皮膚と耳が荒れやすい時期です

 

犬の皮膚や耳は、気温と湿度の影響を受けます。

 

夏は皮膚の表面が蒸れやすく、皮脂や汚れもたまりやすくなります。被毛の中、わき、内股、指の間、首の下、しわの部分などは、特に蒸れやすい場所です。

 

耳の中も同じです。耳道はもともと湿気がこもりやすく、垂れ耳の犬や耳毛が多い犬では、さらに環境が悪くなりやすくなります。そこに、アレルギー体質、皮膚のべたつき、掻く刺激、なめる刺激が重なると、赤みやにおい、外耳炎につながります。

 

夏の皮膚病は、単に汚れているから起こるわけではありません。皮膚の環境が崩れ、炎症が起きやすくなっていると考えた方が分かりやすいです。

 

〇 かゆみは見た目よりつらいことがあります

 

皮膚が少し赤いだけだと、軽く見えることがあります。ただ、犬にとってかゆみはかなり不快です。足先をなめ続ける、体を掻き続ける、耳を何度も掻く、夜に掻く音がする。
こうした様子がある場合、見た目以上に気にしている可能性があります。

かゆみが続くと、皮膚をなめたり掻いたりして、さらに炎症が強くなります。
赤みが広がる、毛が薄くなる、かさぶたができる、皮膚が厚くなる、といった変化につながることもあります。

 

耳も同じです。頭を振る、耳を掻く、耳を触ると嫌がる、耳がにおう、耳垢が増える。
こうした症状があるときは、外耳炎を疑います。

 

〇 原因はひとつとは限りません

 

犬のかゆみや外耳炎では、原因がひとつだけではないことがよくあります。

 

皮膚では、細菌やマラセチアが増えていることがあります。アレルギー、ノミ、ダニ、皮膚の体質、シャンプーや環境の影響が関係することもあります。

 

外耳炎でも、細菌やマラセチアが関係します。ただし、それだけでなく、アレルギー、耳道の形、耳毛、耳の中の蒸れ、以前からの炎症が背景にあることもあります。

そのため、薬で一度よくなっても、同じ時期に繰り返す子がいます。


また繰り返す場合は、その場の炎症だけでなく、なぜ起こりやすいのかを見ていく必要が

あります。足先をなめる、わきや内股が赤い、目や口周りを掻く、といった症状が一緒にある場合は、耳だけでなく皮膚全体の状態も確認します。

 

〇 耳掃除やシャンプーのやりすぎにも注意します

 

夏はにおいやべたつきが気になり、シャンプーや耳掃除を増やしたくなることがあります。シャンプーは、皮膚の治療やケアに役立つことがあります。ただし、種類、回数、洗い方、乾かし方が合っていないと、皮膚の負担になります。

 

洗ったあとに乾きにくい場所もあります。わき、内股、指の間、耳の周りなどが湿ったままだと、かえって蒸れやすくなります。

 

耳掃除も同じです。耳垢を取ろうとして奥まで綿棒を入れたり、毎日のように強くこすったりすると、耳道を傷つけることがあります。耳の中に炎症がある状態では、掃除そのものが痛みになる場合もあります。

 

皮膚や耳のケアは、やればやるほど良いものではありません。その子の状態に合った方法を選ぶ必要があります。

 

〇 診察で確認していること

皮膚や耳の症状がある場合、まずどこに症状が出ているかを見ます。指の間、わき、内股、お腹、首、耳、口周り、目の周り、背中。場所によって考える原因が変わります。

 

次に、赤み、べたつき、フケ、かさぶた、脱毛、におい、耳垢の量や色を確認します。
かゆみが季節で変わるか、毎年同じ時期に出るか、食事やおやつの変更があったか、ノミやダニの予防状況も確認します。

 

皮膚では、必要に応じてテープ検査や皮膚の細胞診を行います。細菌が多いのか、マラセチアが多いのか、炎症の程度はどうかを見ます。

 

耳では、耳の中を確認し、耳垢の状態を見ます。耳垢の細胞診を行うことで、細菌やマラセチアが関係しているかを確認します。

 

見た目だけで判断すると、治療がずれることがあります。赤いから抗生剤、におうから耳掃除、という単純な話ではない場合があります。

 

〇 治療は状態に合わせて変わります

 

治療は、原因と状態によって変わります。細菌が関係していれば、抗菌薬や抗菌シャンプーを使うことがあります。マラセチアが多ければ、抗真菌成分の外用薬やシャンプーを使うことがあります。


外耳炎では、点耳薬や耳洗浄が必要になることがあります。かゆみが強い場合は、かゆみ

を抑える治療も考えます。掻き壊しが続くと皮膚の炎症が悪化し、治るまでに時間がかかるためです。

 

ただし、かゆみ止めだけで終わると、細菌やマラセチアが残ることがあります。反対に、抗生剤だけで背景にあるアレルギーや皮膚の体質を見ないと、また繰り返すことがあります。

 

繰り返す皮膚病や外耳炎では、今出ている炎症を抑える治療と、繰り返す理由を探ることの両方が必要です。

〇 ご自宅で見ておいてほしいこと

 

皮膚や耳の症状があるときは、いつから、どこを、どのくらい気にしているかが参考になります。

 

・足先をなめているのか。
・耳を掻いているのか。
・頭を振るのか。
・体を掻く場所は決まっているのか。
・においは皮膚なのか、耳なのか。

 

写真や動画も役に立ちます。


診察室では掻かない子もいるため、家での様子が分かると判断しやすくなります。

シャンプーの種類、耳掃除の頻度、食事やおやつの変更、ノミ・ダニ予防の状況も確認しておくとよいです。

 

それと以前の残り薬や市販薬を自己判断で使うのは避けてください。耳の状態や皮膚の原因によっては、合わない薬で悪化することがあります。

 

〇 まとめ

 

夏は、犬の皮膚のかゆみ、赤み、べたつき、におい、外耳炎が増えやすい時期です。

皮膚や耳の症状には、細菌、マラセチア、アレルギー、蒸れ、皮脂、掻く刺激などが関係します。


原因がひとつではないことも多く、繰り返す場合は背景まで見る必要があります。

耳がにおう、頭を振る、耳を掻く場合は、外耳炎の可能性があります。さらに皮膚のかゆみと耳の炎症がつながっていることもあります。

 

シャンプーや耳掃除は役立つこともありますが、やりすぎるとかえって負担になります。

赤み、におい、べたつき、耳垢、強いかゆみがある場合は、皮膚と耳の状態を確認して、その子に合った治療やケアを考えていきます。